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士官学校、アカデミーを総合成績一位で卒業。
エリートの証し赤服を着て戦場に配属されることとなった少年には、当初からすでに専用カスタム機を与えられるほどの期待がされていた。
MS戦で新記録を更新し、後に連合に驚異ともなった赤い若獅子―――名をクリス・ラーク。





「こんなもん俺が突っ込めば早くね?」


今度の任務について話し合うミーティングルームで、ひときはあっけからんとした声が響いた。
言ったのはもちろん、ヴェステンフルス隊最年少、通称隊一熱い男で通っているクリスだ。
彼はパネルの上に映る敵基地を見ながら、ゆうゆうと仲間たちの顔を見て回る。
みな、同じ表情をしていた。


「あのね、もうちょっとちゃんと考えてくれる?クリスくん」
「だからちゃんと考えてんだろ」


ため息をついたのはラルクだ。クリスの意見に対し、あーもー何言ってんの?とゆうような呆れ方だ。
今回任務につくのはクリスを含め、スピアとハイネである。
ラルクは参加はしないが、いつも任務の説明などのため、ミーティングには参加しているのだ。もちろん作戦を立てることも彼の任務のうちではある。
賛成できないなぁ、とするラルクに、クリスはここにカノンがいればいいのに、と思う。
彼はヴェステンフルス隊のいわゆる参謀だ。作戦を立てることに優れている。おそらくアカデミーでもそれ関係は好成績を納めていたに違いない。
反対にクリスはそういうのは苦手だったが。
戦場でもカノンの指示能力や連携には舌を巻くが、それはいつもクリスの特性を活かしてくれているからだろう。
さっきも言ったように、クリスは回りくどいことよりも自らが先頭となって崩していくことの方が好きだし、わかりやすくて好きなのだ。


「まぁ、一回はハイネを通してからだなぁ」
「ハイネはそれで良しっ!!って言うって!なぁスピア」
「さぁな……でも、言うだろうな」


ハイネはクリスの最も尊敬する隊長だ。
MS操縦技術においてもそうであるが、それ以上に彼の人柄、ハイネ・ヴェステンフルスという人物に尊敬の念を抱くのだ。
彼の存在を知ったのはヤキン・ドゥーエの戦いでだ。オレンジの機体で真空の宇宙をかけ、単独でも複数の相手をものともしない戦いぶりに興味がわいた。
その功績をもちフェイスに昇格したことも、人づてに耳にしていた。
憧れ―――自分もあのようになりたいという思い。フェイスになりたいわけではない、ハイネのようになりたいのだ。


「なぁーにモメてるわけ?お前らちったぁ仲良くしろよ」


ドアが開いたかと思うと、ちょうどハイネが入って来ているところだった。
クリスとラルクの声がハイネっ!!と揃う。


「…仲はいいだろ」


ぼそりとスピアが呟く。ただモメてるだけ?と。
それに苦笑いしながらハイネがスピアとクリスの間に割って入る。
さて、と、と仕切り直しだ。
いつも通りにラルクから説明が行われ、ハイネが何度か頷いたり質問を繰り返す。
ふと、話が途切れたところでハイネが顔を上げてクリスたちの方を見た。


「で、お前らはどうしたいわけ?」
「俺は俺が突っ込んで混乱させてるとこに、ハイネとスピアが内部を壊したらいいと思うーって言った!」
「お前はなんでそんな無茶したがるんだよ!」
「俺ならできるっ!むしろやってやるぜっ!」
「なら、それでいくか!」
「ハイネっ!!?」


にかっと笑ったハイネに対してラルクが抗議の声をあげようとするが、隊長の表情を見て諦めたようだった。
ラルクは、いつもこうやってつっぱしり気味なクリスのことを心配してくれる。いいやつだ。
しかしクリスがいつも自分の主張を強く行うのにもちゃんと意味がある。ただ作戦上の好みだけではない。
無理だと判断したら無茶はしない。そんな無謀なことするのは優秀だとは言えないし、ハイネはそんなこと許さない。
きっと、みんなと少しボーダーが違うのだと思う。自分の限界点をいつも試したいと考えている。
けれど同時に隊に迷惑や損害を与えたくないとも常に考えている。
どこよりも居心地がよく、こんなまだまだ考えのまとまらない自分を受け入れてくれる仲間たちのいるこの隊が大好きだから。
隊長は―――ハイネは、そんな自分の考え方を否定しない。彼は自らも考え、クリスがいけると思うから許可をくれるのだ。
だからこそ時にははっきりと言うときもあるけれど。


「んじゃ俺とスピアで後方支援、クリスの合図待ちってことで」
「わかった」
「よっしゃー!!」


尊敬する人物に認められている―――そんな、感じがする。ハイネといると。
いつまでたってもハイネ・ヴェステンフルスは自分の憧れであり続けると思う。
どんなに優秀だと、どんなに強いと、どんなに恐れられようと、たとえ赤い若獅子と異名をつけられようと、この人に認められていることが1番の誇りだ。
そしてこの隊に属し、カノン、フェイフォン、スピア、ラルクという仲間たちとともにいられるということが、何よりの名誉だ。

ここにいるからこそ、こんな自分の限界点を試せるのだ。どれだけ暴れようとも彼らは強いから、信頼できるから、安心できる。集中できる。
やりたいことを、やらせてくれる。
絶対に失いたくないから、意地でもやりきって守ってやろうと思う。





ゾクゾクする、彼らといると。

限界なんかないんじゃないかと。

一人ではない―――ヴェステンフルス隊で、どこまでも上ってやろう。










という、クリスの話。
クリスは自分からハイネ隊に転属願いを出した子だったり、以前からハイネに目をつけられてたりとけっこう直情家の熱血家。
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熱い系の音が基本好き。ロック好き。
あと、目立つのが好き。髪型変えるのが大好き。ミルクティ色の髪が大好き。派手髪にするの好き。
座右の銘は 成せば成る、成さねば成らぬ何事も で、とにかく初めてみることは大事だと思う。
とりあえずお酒が好きな、そんな感じの夢見人。

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